シラス壁という、大人にも、子供にも素晴らしい材料
2021.09.05.
今年は例年になく忙しいのに、なかなか新しいニュースを上げることができません・・・(≧∇≦)!!(笑)。小さな事務所の宿命ですね。いくつかの計画を、ずっとアトリエに籠って作業しています。現場現場の日々が続くと思えば、今度はずっと缶詰で計算と図面、図面と計算の毎日・・・・・。コロナ禍で外に出ないのはいいんですけどね!
アグラ設計室の物件には、今ほとんどの建物で、内装あるいは外装にシラス壁を使っています。シラス壁とは、火山噴出物のシラスを主原料とした建築材料のこと。シラスは九州南部、鹿児島から宮崎あたりの広大なシラス台地で採れ、サラサラした粉状で水持ちが悪いため水田には向かず、豪雨の際に土砂崩れを引き起こすなど、昔から地元では厄介ものとされてきたものです。ところが今、素晴らしい新素材、住建材として出てきました。
難しいことを話をすると、シラスは、マグマの超高温で焼成された高純度無機質セラミック物質であり、非晶質の占める割合が60~80%もあることで他の火山噴出物とは決定的に異なる極めて特異な性質を持っています。非晶質の場合は分子構成が不安定で活性化し、環境によっては触媒反応が起きやすくなることから、消臭・分解、殺菌、イオン化などの機能を発揮すると考えられます。また、シラスは非常に細かい微粒子の中に無数の穴が開いた複雑な構造を持っています。シラスの主成分である珪酸は、除湿剤の主原料でもあり、これによってシラス壁には優れた調湿機能があります。シラスに含まれるアルミナはガスの吸着性能が高く、シラス粒子中の空洞にニオイや化学物質の分子を吸着します。
つまり、今度は簡単に言うと、調湿性能のレベルが非常に高く、お部屋がサラッとし、夏の体感温度が2℃ほども低く感じます。消臭性能もすごく、ペットやタバコ(いまどき吸う人は少ないですが・・・)、焼き肉、洗濯物の生乾きのニオイも非常に短時間で消臭します。アトビーが改善したというお話も、お子様の喘息が治ったというお話もあります。マイナスイオンを出し、寝つきもイイ・・・。そして、100%自然素材。
ここまででも、ある意味夢の材料と言っていいのですが、最近メーカー(高千穂シラス㈱)から【シラス壁における抗ウイルス作用を実証】という資料が送られてきました。シラス壁のコロナウイルスに対する不活性化試験の結果、接触わずか10分で、99.9%以上の不活性化効果を確認したとのこと!
見た目の雰囲気(デザイン性)も良いし、でんぷん質の糊で固めて壁に塗っていますが、土壁のようにポロポロと落ちてきません。
もちろん、上記性能は条件により違いますし、コストも少し高くなります。ですから、設計時にどこにどの程度使うかをよく話し合い計画していますが、ここ数年、アグラ設計室としては欠かせない材料となっています。(高千穂さんから宣伝料もらっているんじゃないですからね・・・!!)
アグラ設計室一級建築士事務所 代表;斉藤